「美術をやる人間は大人じゃなきゃだめだよ~」
高校時代、某藝大卒のオッサン先生に言われた言葉です。
あのオッサン、ことあるごとにいろんな人に「美術をやるなら大人にならなきゃ~」と言ってました
一般的に日本では「大人になる」って肉体的に成熟したり、成人式を迎えた人のことですよね。精神的に言えば、「モラトリアム期間を終えた人」ってところでしょうか。
しかし、美術においての「大人になる」はまた違った意味合いになってくるんです
美術において「大人になる」とは。

もうはっきり言っちゃいます。
気配り上手になることです。
「気配り上手?気が利く人ってこと?」
「そんなの誰でもできるじゃん!」
はい、大人になるって誰にでもできることなんです。でもこう見えてかなり難しい。
気配り上手な人って大きな素直さを持っているんですよね。故に嫌なことに真正面からぶつかった経験もありますし、そのぶん相手の立場に立って考えることができる。「あっそうなんだ!」と受け入れることができる。
これって美術をやるうえで大事になってくる能力なんです。
もっと噛み砕くと、気配り上手な人は相手の立場に立つ想像力(考察力)・そのために動く行動力という美術をやるうえで最も大事ともいえる二大能力を持ち合わせているわけです。
こう書くとあっ大事だなって気がしてきませんか?
実際に美術をやる能力として例をあげると「画面の端から端まで飽きさせない配慮をする力」「エスキース(構図や構想を練る段階)でたくさんのパターンを出す力」「何を良いと思ってもらえるか考える力」etc.まだまだありますが、美術をやるうえで応用がかなり効く能力です!
私はどんな人でも絵を描く才能は手に入れられる!という思想の持ち主ですが、ぶっちゃけ他人への気配りができる人は美術をやる素質が物凄く高いと思います。
これができるようになるだけで美術に対する楽しさは桁違いですぜ。
「美術をやるうえで大人になる」ことの注意事項

相手の立場に立って考えるとはなかなかの恐怖体験だったりします。もちろん共感も大切ですが、気配り上手になるぞ!と意気込んで「あの人はこんなに悲しい思いをしたかもしれない」と何日も引きずるのだけはやめてください。
それであなたの気が病んで美術を楽しめなくなっては元も子のない!
時にはドライに「あっそ」って思うことも大切です。
「5分以上は考えない、5分前まで考えない」精神くらいがちょうどいいものです。
「絵が成長しないな」と感じている人は、自分の作品の前に立って作品を見る人の立場になって考えてみるとそのスランプから抜け出すカギになるかもしれません。
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