画面の中で生と死が『流動』する画家【ムンク】

こんにちは。美術オタクのゴリアテです。

 

作家研究シリーズとして、美術オタクらしく好きな画家について語っていきますぜ。学生時代に私がよく参考にしていた画家です。

 

「叫び」1893年

ええ、見たことがあるでしょう!ムンクの「叫び」。ちょっと前にムンク展なんかも開催されましたね!

今回はこの有名な「叫び」を描かれたエドヴァルド・ムンク氏に迫りながら、絵を見ていきましょう!

 

ちなみにこの「叫び」はシリーズもので、世界に5つあります。

ムンクってこんな人

エドヴァルド・ムンク(1863-1944)

ノルウェー出身のハンサムな画家です。80歳で亡くなっていますね。

 

五人兄弟の次男で、5歳で母を肺結核で亡くし14歳で姉を亡くすなど、幼い頃から「死」を身近に感じていたようです。特に姉の死がトラウマになっていて、「女性」「愛」「苦痛」「生命」「死」「孤独」などをテーマにした作品を多く制作しています。

世間からの冷笑に遭ったりと結構不憫な目に遭ってます。

 

「生命のダンス」1900年

「叫び」ほど有名ではありませんが、ムンクの全作品の中でも重要な大作です。彼の「生のフリーズ」という連作の要となる作品でもあります。

ムンクは油絵だけでなく、木版やリトグラフの作品もありますね。

 

 

絵の中の流動

 

ムンクの作品の中でやはり感じるのは何といっても画面の中にある流動したタッチ(筆致)ですね。彼の絵の最大の特徴だと思います。

どう筆を動かして描いたのかがわかる、何か重たいものが流れているような独特なタッチが画面内に生み出されています。生命の動きや血液のように流れる感情の流動、彼の暗めの色遣いやタッチは絵の主題と共にそういったものを連想させてくれます。

人の心の闇だったり、奥底に渦巻くものを感じさせてくれますね。

 

 

 

「吸血鬼」1895年
「マドンナ」1894年
「別離」1896年

ミュージカルや舞台の一場面のような構図も魅力の一つですね。

 

「声/夏の夜」1896年

「声/夏の夜」の背景と木々・人物のコントラストは美しいですね。ムンクの作品の中で鮮やかな青を使った作品は珍しいので新鮮に感じます。少し涼しい澄んだ空気感も感じられますね。

 

「太陽」1911-1916年

ムンクの作品の中で特に好きなのがこの太陽

この作品は晩年に制作されたもので、今までとは違い、鮮やかな色遣いで描かれています。自然のあらゆる生命の根源として太陽を描いています。今までの苦悩の時代を過ぎ、心身ともに健康を取り戻したムンクのドラマを想像させます。彼の大元のテーマである「生命」に前より少し元気に向き合った作品ですね。ちなみにこの作品は壁画です。

画面の中に活力や素直さもありながら単純さのない、「それだけではない感」が素晴らしいです。

 

絵画を描く上で層(レイヤー)を扱った画家はたくさんいますが、ムンクの層の扱い方が私の中ではベスト3に入るくらい好きです。わかりやすくはあるのですが、それでいて理性的でもあり、色の映えさせ方に上手さがあるけども独創性もともに輝いています。

 

 

ムンクはできれば実物を見ていただきたい画家の一人です。絵画自体はそこまで分厚い作品ではないのですが、主題や画面の中の流動、重みや色遣いから、画面自体の重さに頼らない洗練された作品が楽しめると思います。

ここでは紹介しきれていない作品群もあるので、ぜひ深みにはまってみてください。

 

 

 

では今回はこの辺で!

よきアートライフを

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